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単科精神科病院におけるコロナ対応の実際と課題について

No.5032 (2020年10月03日発行) P.56

趙 岳人  (藤田医科大学医学部精神神経科学講座准教授)

佐藤創一郎  (希望ヶ丘ホスピタル診療部長)

登録日: 2020-10-02

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  • 新型コロナウイルスへの対応は,日頃感染症を専門には扱わない地域の精神科医療機関にとっても,大きな課題となっています。
    単科精神科病院におけるコロナ対応の実際と課題について,現場で学ぶ姿勢を一貫して実践なさっている精神科チーム医療のエキスパートである希望ヶ丘ホスピタル・佐藤創一郎先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    趙 岳人 藤田医科大学医学部精神神経科学講座准教授


    【回答】

    【責任・ビジョン・リーダーシップで真のチーム医療に成長を】

    精神疾患の有無に関係なく,コロナウイルス感染は生じます。精神科だから対応できない,しない,は通用しません。しかし,身体科医療と比べ人員の少ない精神科病院の多くは,ハード面でもソフト面でも短期的な感染対策しか持ち合わせていなかったことでしょう。

    当院もそうでした。それでも,基幹病院への負担集中を避け,地域の医療体制を守るために一定の役割を果たさなくてはなりません。当初は現場が必要とする情報の共有体制が整わず混乱した時期がありました。「感染リスクのある方の精神症状が個人情報として提供されず,精神症状の程度が予測できない」「PCR結果待ちの段階では行政の直接関与はないため,濃厚接触者である家族しか対応できない」「結局,来院してからでないと受け入れ体制が決められない」など,精神症状への対応と感染対策との両立の難しさを感じました。また,面会禁止や不要不急の外出制限に始まり,感染者に対する行動制限と精神保健福祉法の行動制限との整合性,非自発的入院の是非など,精神医療の現場には答えが得られない疑問だらけでした。他科や他院,行政との連携など,我々はメンタルヘルスのプロとしてどう振る舞うべきかについても考えさせられました。徐々にお互いの立場をふまえたスムーズな運用となってきていますが,平時の連携がいかに重要かが浮き彫りになりました。非常事態だからこそ,医療に対する普段の姿勢が問われているのは他の診療科と同じです。どんな状況でも,我々が提供できることを変わらずに提供し続けること。その備えと覚悟が求められています。

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