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上室性頻拍[私の治療]

No.5018 (2020年06月27日発行) P.38

八木哲夫 (仙台市立病院副院長)

倉島真一 (仙台市立病院循環器内科)

登録日: 2020-06-25

最終更新日: 2020-06-24

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  • 発作性上室性頻拍(paroxysmal supraventricular tachycardia:PSVT)はその発生機序により,①副伝導路を介する房室リエントリー性頻拍(atrioventricular reentry tachycardia:AVRT),②房室結節二重伝導路による房室結節回帰性頻拍(atrioventricular nodal reentry tachycardia:AVNRT),③心房頻拍(atrial tachycardia:AT)に大別される。

    ▶診断のポイント

    【病歴】

    突然始まり,突然終わる動悸のことが多い。息こらえなどの迷走神経刺激法によって停止する場合は頻拍回路に房室結節が含まれていると考えられ,AVRTやAVNRTが示唆される。

    【検査所見】

    心電図においては基本的にnarrow QRS波形かつR-R間隔が整の頻拍となる。ただし上室性であっても頻拍周期が速い場合などは,変行伝導(機能的脚ブロック)によりwide QRS波形を示すことがある。PSVTの変行伝導はほとんどが右脚ブロック型のwide QRS波形を示す。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    PSVTは強い動悸を主訴として医療機関を受診し同定されることがほとんどであり,頻拍を停止させる必要がある。まず頻拍中の血行動態を把握し,安定していれば薬物治療を優先し,血行動態が不安定であれば電気的除細動を第一選択とする。

    頻拍が停止したあとは再発予防を考慮する。薬物治療とカテーテルアブレーションにわけられるが,有症候性の上室性頻拍はいずれの発生機序においてもカテーテルアブレーションが第一選択となりうるため,専門医に相談する。また,頻拍の発生機序は洞調律時および頻拍時の12誘導心電図から予測できることも多い。洞調律時にデルタ波がみられれば副伝導路が関与することが多く,頻拍中の心電図からはQRSの後半や直後の逆行性P波を探すことで,AVRTやAVNRT,ATのどれであるかを推定できることが多い。正確な機序は心臓電気生理学的検査で確定する。

    なお,顕性WPW症候群に心房細動を合併すると副伝導路を介して偽性心室頻拍を起こすことがあり,致死的になりうる。この場合,ATPやCa拮抗薬,β遮断薬のような房室結節に伝導遅延をきたす薬剤の使用は禁忌である。

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