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尖圭コンジローマ[私の治療]

No.4999 (2020年02月15日発行) P.44

荒川創一 (三田市民病院事業管理者・院長)

登録日: 2020-02-16

最終更新日: 2020-02-12

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  • 尖圭コンジローマは,性器へのヒト乳頭腫ウイルス(human papilloma virus:HPV)感染による性感染症のひとつで,低リスク型のHPV6型または11型により性器に形成される疣贅(イボ)である。

    ▶診断のポイント

    粒状の表面を持つ単独または複数の乳頭状,鶏冠状またはカリフラワー状の疣贅が,多くは外性器皮膚面に発症する。色は淡紅色(ないし褐色)で,時に巨大化する。皮膚面のみならず,女性では腟壁,子宮頸部,男性では外尿道口部に形成されることもある。視診が決め手である。性交渉から3週~8カ月(平均2.8カ月)の潜伏期を経て生ずる(図)。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    イミキモド5%クリームの外用による薬物療法,凍結療法,そしてレーザー蒸散・電気メスによる切除等外科的療法がある。いずれも単独では治癒率が60~90%,再発率が20~30%であるために,複数の治療法を繰り返さなければならないことがある。最もシンプルな方法は,液体窒素による凍結療法であるが,大きさにより1回ではすまない場合がある。イミキモドは患部に周辺も含めて塗布する。すなわち,疣贅部位を中心に適量を1日1回,週3回,就寝前に塗布する。塗布後はそのままの状態を保ち,起床後に塗布した薬剤を石鹸と水または温水で洗い流す。4週間を1コースとする。疣贅周辺皮膚面に潜在するHPVにも効果が出て,再発を抑制できる可能性がある。

    治療の順序として,小疣贅では凍結療法で除去,その後に小病変が再発したら,イミキモド塗布1コースで効果をみる,というのが患者も受け入れやすい。ある程度ボリュームがある疣贅の場合,レーザーを用いた蒸散や切除が簡便である。

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