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産科医に対する臨床遺伝と遺伝カウンセリング教育は?

No.4997 (2020年02月01日発行) P.49

山田崇弘 (京都大学医学部附属病院遺伝子診療部特定准教授)

佐村 修 (東京慈恵会医科大学産婦人科学講座准教授)

登録日: 2020-01-30

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  • 出生前診断のニーズの高まりとともに遺伝カウンセリング体制が周産期医療の現場で必要とされています。しかし,対応できるマンパワーの不足が叫ばれており,産科医の教育・研修が重要となっています。これからの周産期の臨床遺伝教育体制はどうなっていくのでしょうか。
    東京慈恵会医科大学・佐村 修先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    山田崇弘 京都大学医学部附属病院遺伝子診療部特定准教授


    【回答】

    【関連学会主催のセミナーや専門医資格取得のための研修会など体制が整いつつある】

    通常の産科診療において,胎児への遺伝や先天的な疾患の可能性について妊婦より質問を受けることはよくあります。したがって,日常診療で臨床遺伝の知識は必須であり,日々の自己学習と研鑽を続ける必要があります。教科書としては日本産科婦人科学会が定期的に発行している産科のガイドラインの関連部分,厚生労働科学研究小西班が中心となって編纂している周産期遺伝カウンセリングのマニュアルがあります。そのほかにも遺伝関連のテキストは多数あり,それらを参考にしながら臨床遺伝の知識の習得に努めることになります。

    遺伝カウンセリングは,日常診療とは違う対応で臨む必要があり,遺伝関連学会が主催している,遺伝医学セミナー入門コース(日本人類遺伝学会),遺伝カウンセリング研修会(日本遺伝カウンセリング学会),遺伝カウンセリングロールプレイ研修会(日本産科婦人科遺伝診療学会)などに参加することが望まれます。これらの遺伝医学の研修会は初学者にも理解できるようにプログラムされているだけでなく,効率良く基礎的な内容を復習するにも適した研修会です。日本産科婦人科遺伝診療学会では周産期関連の講義とロールプレイ研修を終了した人に試験を行い,合格した人に周産期分野の認定を行っています。

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