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視神経脊髄炎の再発予防治療の近未来は?

No.4978 (2019年09月21日発行) P.54

越智博文 (愛媛大学大学院老年・神経・総合診療内科学准教授)

荒木 学 (河北総合病院神経内科副部長)

登録日: 2019-09-24

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  • 分子標的治療薬をはじめとして,視神経脊髄炎(neuromyelitis optica:NMO),特に難治例に対する再発予防薬の開発が進んでいます。これから,NMOの再発予防治療はどのように変革していくのでしょうか。再発予防治療の近未来についてご教示下さい。河北総合病院・荒木 学先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    越智博文 愛媛大学大学院老年・神経・総合診療内科学准教授


    【回答】

    【免疫病態に関係する3種類の分子を標的にした生物学的製剤の国際共同治験が進行】

    NMOの再発予防治療は副腎皮質ステロイドと免疫抑制薬が第一選択薬の位置づけになっています1)。免疫抑制薬はアザチオプリン,ミコフェノール酸モフェチル,タクロリムス,シクロスポリンAなどが用いられますが,国外では抗CD20抗体リツキシマブも標準治療として選択されます。類似した病巣分布や神経症状を呈する多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)の再発予防治療薬はNMOの症状や再発回数を増悪させる場合があり,治療開始前にMSを鑑別することが重要です。副腎皮質ステロイドは速効性があり有効性を実感しやすいものの副作用が多彩であり,大腿骨頭壊死や肝障害など重篤な場合も少なくありません。副作用の多さからステロイドの慢性投与を敬遠する国や地域もあり,NMOの病態に即した新規の再発予防薬の開発が望まれていました。

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