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性器ヘルペス[私の治療]

No.4961 (2019年05月25日発行) P.51

野口靖之 (愛知医科大学産婦人科学講座特任准教授)

登録日: 2019-05-23

最終更新日: 2019-07-09

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  • 単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus:HSV)Ⅰ型またはⅡ型の感染により発症し,主に初発(初感染)と再発に分類される。初発(初感染)は,性交渉から2~10日間の潜伏期を経て大陰唇,小陰唇,腟前庭部に激痛を伴う,浅い多発性潰瘍が出現する。全身倦怠感を伴って時に38℃以上の発熱を認めるが,2~3週間で自然治癒する。HSVは末梢神経を上行し初感染治癒後も脊髄神経節に潜伏感染し,再活性により再発する。再発は,主に単発〜数個で症状は軽く,ほとんどが1週間以内に自然治癒する。再発の頻度には個人差がある。分娩時に妊婦の外陰部に性器ヘルペスの病変を認めた場合は,産道感染の予防を目的とした帝王切開が必要になる。

    ▶診断のポイント

    蛍光抗体法や免疫クロマト法によるウイルス抗原の検出は保険適用を有するが,陽性率が60%程度であり,偽陰性が存在する。血清抗体検査も陽転化に時間を要するため,症状,既往歴や局所所見に基づいた臨床診断を優先して治療を開始する。

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