株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

開業医が行う食物経口負荷試験の方向性は?

No.4959 (2019年05月11日発行) P.50

下条直樹 (千葉大学大学院医学研究院小児病態学教授)

梅野英輔 (梅野小児科内科医院理事長)

登録日: 2019-05-12

最終更新日: 2019-05-07

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 食物アレルギー患者が増加している現在,負荷試験を遅滞なく進めないと適切な診療ができません。取り組みや今後の展望はいかがでしょうか。福岡市梅野小児科内科医院・梅野英輔先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    下条直樹 千葉大学大学院医学研究院小児病態学教授


    【回答】

    【食物経口負荷試験の実施施設を増やすため,より安全なプロトコルが必要】

    食物経口負荷試験(oral food challenge:OFC)は,食物アレルギーの診断のみならず,症状出現閾値からその時点での摂取可能な量(耐性獲得状況)を知り,食品除去の段階的解除を行い,患児のQOLを高めるためには必要不可欠な検査で,その需要は年々増加しています。一方,OFCの実施施設は少なく,検査が必要な子どもたちを長期に待たせているのが現状です。ちなみに当院でもOFC予約は7カ月待ちの状態です。その中には,親の勝手な判断,特異的IgE抗体価や過去の軽微な症状から食品除去を行っている例も多く存在しますので,これらの除去が不要である可能性のある例や軽症例について開業医を含む非専門医がOFCを行えば,需要と供給のアンバランスが少しでも解消されると思われます。そのためには,専門医とは別のプロトコルが必要です。

    残り1,064文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    関連物件情報

    もっと見る

    page top