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若手研究者・研究医の活躍が拓く未来医療:千葉大学での「治療学」研究の推進と人材育成[特集:医療の近未来予想図]

No.4958 (2019年05月04日発行) P.49

中山俊憲 ( 千葉大学大学院医学研究院長・医学部長・教授/千葉大学未来医療教育研究機構機構長・副学長)

登録日: 2019-05-04

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  • 私の勤務する千葉大学医学部・大学院医学研究院は、これまで150年にわたり、食道癌手術の中山恒明氏、川崎病発見の川崎富作氏、免疫学の多田富雄氏らを代表とする、「治療薬や治療法」の開発に秀でた医学者、最先端の治療を実践する優れた臨床医を日本全国に数多く輩出し、社会に大きく貢献してきた実績があります。この優れた人材育成の伝統をふまえ、医学研究院ではグランドデザイン将来構想を策定し、その中で「治療学」という言葉を「治療の理論および新規治療法の開発を系統的に研究・実践する学問分野」と定義し、「治療学」研究の推進と人材育成に力を入れております。

    「治療学」という言葉は新しい言葉ですが、「診断学」と対比するかたちで捉えればイメージしやすいと思います。医学研究院の講座は、ほとんど「治療学」という言葉を冠しており、例えば、「脳・神経治療学講座」「呼吸・循環治療学研究講座」「先端がん治療学研究講座」「高次機能治療学研究講座」といったそれぞれの大講座には基礎、臨床を問わず関係領域の研究室が配置されています。この体制に基づき、日本をリードしグローバルに活躍する医学研究者を育成するとともに、超高齢社会を迎えたわが国で具現されるであろう新たな医療形態にも適合する、患者目線に立った医療の実践に貢献できる医療人の育成を目指しています。将来、ますます多様化する社会のニーズにリーダーとして対応できる人材を輩出し、医学と医療の分野で社会貢献を果たしたいと思っています。

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