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多発血管炎性肉芽腫症(GPA)[私の治療]

No.4955 (2019年04月13日発行) P.44

針谷正祥 (東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター膠原病リウマチ内科学講座特任教授)

登録日: 2019-04-13

最終更新日: 2019-07-09

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  • 多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis:GPA)は,主として小血管を障害し,①上気道(眼,耳,鼻,咽頭,副鼻腔)(E;ear and nose),肺(L;lung)における壊死性肉芽腫性炎,②腎(K;kidney)における巣状分節性壊死性糸球体腎炎,③全身の中・小型動脈の壊死性血管炎,の3つを臨床病理学的な特徴とする難治性血管炎である。血中には高率に抗プロテイネース3好中球細胞質抗体(proteinase-3-antineutrophil cytoplasmic antibody:PR3-ANCA)が出現する。男女比はほぼ1:1で,好発年齢は40~60歳である。

    ▶診断のポイント

    【症状】

    38℃以上の発熱,体重減少などの全身症状とともに,①Eの症状(膿性鼻漏,鼻出血,鞍鼻,中耳炎,視力低下,咽喉頭潰瘍,嗄声など),②Lの症状(血痰,呼吸困難,肺浸潤など),③Kの症状(血尿,乏尿,急速進行性腎炎など),④そのほかの血管炎を思わせる症状(紫斑,多発関節痛,多発神経炎など)が起こる。通常は,①→②→③の順で起こることが多く,①,②,③のすべての症状がそろう場合を全身型,1つのみ,もしくは2つのみの症状を呈する場合を限局型と呼ぶ。

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