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小児のCHARGE症候群患者に対する耳鼻咽喉科領域の諸問題について

No.4953 (2019年03月30日発行) P.60

光澤博昭 (北海道立子ども総合医療・療育センターリハビリ・栄養部部長/耳鼻咽喉科)

黒瀬 誠 (札幌医科大学耳鼻咽喉科学講座講師)

登録日: 2019-03-30

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  • 小児のCHARGE症候群患者に対する耳鼻咽喉科領域の諸問題について解説をお願いします。
    札幌医科大学・黒瀬 誠先生にご教示をお願いします。

    【質問者】

    光澤博昭 北海道立子ども総合医療・療育センター リハビリ・栄養部部長/耳鼻咽喉科


    【回答】

    【難聴の合併率は高い。なるべく早期の聴力評価,治療の検討が必要】

    CHARGE症候群は多発性の先天異常症候群であり,約1/1万の頻度で発生する稀な疾患とされています。1981年にPagonらにより初めて疾患概念として確立され,その後,Oleyらにより目の欠損症(coloboma of the eye),心奇形(heart disease),後鼻孔閉鎖(atresia of the choanae),生育・発達の遅れ(retarded growth and/or development)または中枢神経奇形,生殖器低形成(genital hypoplasia),耳介奇形ないし難聴(ear malformation and/or hearing loss),顔面神経麻痺の主症状のうち,4つ以上の症状を呈するものをCHARGE complexとする分類が提唱されました1)2)

    その後,2004年に原因遺伝子(8番染色体上のCHD7遺伝子のヘテロ変異が主因)が同定され,遺伝子診断も可能になりました。この遺伝子は分化発生に関与すると考えられており,そのほとんどが孤発例ではあるものの,常染色体優性遺伝形式をとるとされています3)。生命予後は,心疾患の重症度,摂食嚥下障害からの誤嚥などの合併症によるとされますが,軽症の場合長期生存も期待できます。

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