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分枝型IPMNの手術適応―壁在結節の存在・大きさと悪性診断能について

No.4953 (2019年03月30日発行) P.59

大塚隆生 (九州大学大学院臨床・腫瘍外科准教授)

清水泰博 (愛知県がんセンター中央病院消化器外科部長)

登録日: 2019-03-28

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  • 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は腺腫から非浸潤がん,浸潤がんと緩徐に進行していく膵囊胞性腫瘍で,切除をどのタイミングで行うべきか,日常診療でもしばしば判断に苦慮します。また切除せずに経過観察を行った場合にもIPMNの進行だけでなく,IPMNと別の場所に発生する併存通常型膵癌にも注意する必要があります。現在の動向を,「IPMN国際診療ガイドライン2017年版」の作成委員の1人でもある愛知県がんセンター中央病院・清水泰博先生にお伺いしたいと思います。

    【質問者】

    大塚隆生 九州大学大学院臨床・腫瘍外科准教授


    【回答】

    【悪性予測因子を複合的に評価して治療方針を最終決定する必要がある】

    膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm:IPMN)の診療において分枝型(branch duct:BD)-IPMNの治療方針の選択が問題となってきました。今回はBD-IPMNの手術適応についてガイドラインの変遷と併せてお答えします。

    2012年に発刊された「IPMN国際診療ガイドライン」1)では,BD-IPMNの診療方針選択のアルゴリズムが提唱され,悪性の診断で手術すべきhigh-risk stigmata(HS)と,悪性の疑いを示すworrisome features(WF)が定義されました。WFでは超音波内視鏡(endoscopic ultrasonography:EUS)が推奨され,結節の存在や主膵管進展が手術適応とされました。

    2016年までにHSとWFの診断能を詳細に言及した論文は9編あり,悪性例診断の陰性的中率(negative predictive value:NPV)は82〜100%と高率でしたが,陽性的中率(positive predictive value:PPV)は29〜52%と低率でした。

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