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筋萎縮性側索硬化症の治療の未来について

No.4930 (2018年10月20日発行) P.56

岡本智子 (国立精神・神経医療研究センター病院脳神経内科医長)

漆谷 真 (滋賀医科大学内科学講座脳神経内科教授)

登録日: 2018-10-22

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  • 筋萎縮性側索硬化症の異常凝集体を除去する治療抗体の開発に関する研究成果が発表され,今後の難治性疾患における臨床応用に大きな期待が持たれることと思います。この治療に関する基礎的な機序,動物実験における成果,臨床応用への展望について,滋賀医科大学・漆谷 真先生にお伺いします。

    【質問者】

    岡本智子 国立精神・神経医療研究センター病院脳神経内科医長


    【回答】

    【根治につながる治療戦略として注目されるモノクローナル抗体3B12A】

    筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)は,運動ニューロンシステムの選択的変性によって,全身の随意運動筋群の筋力低下と筋萎縮をきたす神経変性疾患です。通常は,発症から3~5年以内に球麻痺や呼吸筋麻痺が出現し,延命には人工呼吸器管理が必要となります。60歳代を中心に発症し,わが国での発症率は10万人当たり7人程度,患者の9割は家族歴を有さない孤発例であり,有効な治療はありません。

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