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いまどきの医学生たちよ、君らだいじょうぶか? [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(10)]

No.4704 (2014年06月21日発行) P.72

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-29

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  • 腹がたつと言うべきか、情けないと言うべきか。ため息をつきながら、病理学総論の採点を終えた。毎年のことではあるが、今年は特にひどかった。

    ときどき質問をしながら講義を進めるのであるが、あまりの知識のなさに愕然とすることがある。「古くなった赤血球はどの臓器で壊されますか」という質問に、1人目の答えは「腎臓」、2人目が「膵臓」。

    怒鳴ってもええですよね?「気の利いた高校生でも知ってるやろっ。勉強する気ないんやったら、大学辞めてしまえ!」って。恥ずかしながら念のために断っておきますけど、阪大医学部3年生の講義での実話…。

    大学に入学してから学んだことをまったく蓄積していない学生がかなりいる。教え方が悪いのかもしれない。しかし、それ以上に学生の学ぶ姿勢がなってない。

    大学にもよるだろうが、うちの場合、中高一貫校の卒業生が7〜8割におよぶ。編入試験(いわゆる学士入学)の学生を除くと、もっと比率は高いはずだ。

    その多くは小学校4年生くらいから塾に通っていただろうから、大学入学までの人生の半分は試験まみれの暮らしだったということになる。

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