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アルツハイマー病治療薬候補からC型肝炎治療薬開発へ【阪大研究グループ】

登録日: 2017-11-28

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阪大の松浦善治教授(微生物病研究所分子ウイルス分野)らの研究グループは28日、アルツハイマー病治療薬として開発されたガンマセクレターゼ阻害薬の中に、薬剤耐性ウイルスの出現なくC型肝炎ウイルス(HCV)の増殖を阻害できる化合物が含まれていることを明らかにした。研究成果は同日、米科学誌『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』で発表した。

同化合物は、HCVの増殖に必須であるシグナルペプチドペプチダーゼ(SPP)の活性を阻害するもの。研究発表によると、すべての遺伝子型のHCVに効果があり、直接作用型抗ウイルス薬(DAA製剤)と比べ、薬剤耐性ウイルスが出現しない長所がある。マラリアやトキソプラズマなどの原虫感染症への治療効果もあるとしている。

なお、ガンマセクレターゼ阻害薬はアルツハイマー病の症状改善には効果がないことが判明し、アルツハイマー病治療薬としての開発は終了している。

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