株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

(4)糖尿病合併例,脳卒中既往例での降圧目標値をどうするか [特集:見直し! 高齢者高血圧治療 ─SPRINT試験の衝撃から]

No.4847 (2017年03月18日発行) P.51

三浦伸一郎 (福岡大学病院循環器内科診療教授)

登録日: 2017-03-17

最終更新日: 2017-03-14

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • next
  • 「高血圧治療ガイドライン2014」における糖尿病合併および脳血管障害合併高血圧の降圧目標値は,診察室血圧でそれぞれ130/80mmHg未満および140/90mmHg未満である

    SPRINT試験では糖尿病合併例が除外されているため,糖尿病合併例での降圧目標値の設定根拠とはならない

    糖尿病合併例を対象としたACCORD-BP試験では,強化降圧治療群(収縮期血圧120mmHg未満)と標準降圧治療群(同140mmHg未満)で主要複合エンドポイントに有意差はなかった

    ACCORD-BP試験では,強化降圧治療群では標準降圧治療群に比し,副次エンドポイントの全脳卒中(非致死的脳卒中)の発症率が41%(37%)減少していた

    糖尿病合併例または脳卒中既往例での高齢者高血圧の降圧目標値は,140/90mmHg未満(65~74歳)または150/90mmHg未満(75歳以上)をめざし,忍容性があれば130/80mmHg未満をめざす

    1. 糖尿病合併例,脳卒中既往例での降圧目標値の設定

    糖尿病合併例,脳卒中既往例の降圧目標値は,「高血圧治療ガイドライン2014」1)において設定されている。最近,SPRINT試験2)が発表され,厳格な降圧の重要性が指摘された。しかし,この試験では糖尿病合併例が除外されており,糖尿病合併例を対象としたACCORD-BP試験3)でも,主要複合エンドポイントにおいて厳格な降圧の有用性は証明されなかった。
    したがって,本稿では降圧目標値の設定をどのように考えるべきかについて「高血圧治療ガイドライン2014」,SPRINT試験およびACCORD-BP試験を中心に概説する。

    残り3,086文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    公立小浜温泉病院

    勤務形態: 常勤
    募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
    勤務地: 長崎県雲仙市

    公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
    現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
    2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
    6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

    当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。医療から介護までの医療設備等環境は整いました。
    2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
    又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。透析数25床の能力を有しています。15床から開始いたしましたが、近隣から増床の要望がありお応えしたいと考えますが、そのためには腎臓内科(泌尿器科)医の先生の勤務が必要不可欠です。お待ちいたしております。

    ●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
    今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問看護、訪問介護、訪問診療体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top