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血管腫と血管奇形

No.5047 (2021年01月16日発行) P.49

中岡啓喜 (愛媛大学医学部附属病院形成外科准教授)

登録日: 2021-01-14

最終更新日: 2021-01-12

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【血管内皮細胞の腫瘍性増殖の有無による,新しい基準に基づいた分類】

従来,血管腫として一括に扱われてきた疾患群を病変内の血管内皮細胞に腫瘍性増殖があるものを血管腫,ないものを血管奇形とするISSVA(International Society for the Study of Vascular Anomalies)分類が欧米を中心に広がってきた。

具体的には「いちご状血管腫」は「乳児血管腫」と疾患名が変更されているが,本疾患は血管内皮の腫瘍性増殖があるため,血管腫の名称を残している。一方,血管内皮に腫瘍性増殖のない「海綿状血管腫」は「静脈奇形」,「単純性血管腫」は「毛細血管奇形」などと疾患名が一変し,戸惑う,受け入れがたい面も少なくないと考える。

わが国では放射線科,形成外科などから受用が始まり,本分類に基づいて厚生労働科学の研究班が2013年に「血管腫・血管奇形診療ガイドライン」,17年に「血管腫・血管奇形・リンパ管奇形診療ガイドライン2017」を報告した。近年では皮膚科からも成書が出版されるなど,本分類は徐々に認知されるようになってきている。

しかし,同一の疾患に対しても診療各科間において統一性がなかったものを,前述の基準に基づき整理し分類しようとする考え方であるため,現状は多少の混乱は避けられないものと考える。今後,統合・体系化されることにより診断・治療法の標準化につながることが期待される。

【参考】

▶ Wassef M, et al:Pediatrics. 2015;136(1):e203-14.

【解説】

中岡啓喜 愛媛大学医学部附属病院形成外科准教授

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