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腎血管筋脂肪腫に対するinterventional radiologyの役割

No.4931 (2018年10月27日発行) P.58

近藤浩史 (帝京大学医学部放射線科学講座教授)

桑鶴良平 (順天堂大学医学部放射線診断学講座教授)

登録日: 2018-10-24

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  • 日常臨床で,腎血管筋脂肪腫(angiomyolipoma:AML)はしばしば遭遇する疾患であり,結節性硬化症(tuberous sclerosis complex:TSC)に伴う腎血管筋脂肪腫(TSC-AML)は,散発性のAMLに比べて,若年で診断され,多発,増大傾向が強いと思われます。経過観察,治療介入の時期,動脈塞栓術とエベロリムスとの使いわけなどについて,AMLに精通している順天堂大学・桑鶴良平先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    近藤浩史 帝京大学医学部放射線科学講座教授


    【回答】

    【仮性動脈瘤径を測るため,ダイナミックCTによる腫瘍の血流評価が重要となる】

    AMLは,全腎腫瘍の0.3~3%にみられます。男女比は1:4で女性に多くみられます。多くのAML(91%)の成長はゆっくりですが(0.02cm/年),急速に増大するAML(0.25cm/年)も存在します(9%)。

    散発性にみられるAML(80%)と結節性硬化症(TSC)に合併して生じるAML(20%)があり,TSCの50~80%の症例でAMLを合併し,さらに多発する傾向があり,15%の症例では最終的に透析が必要になります。TSC-AMLはより迅速に成長し,合併症を生じやすいと言われています。また,AMLはリンパ脈管筋腫症(lymphangioleiomyomatosis:LAM)の50%に合併し,TSCと合併するTSC-LAMでは100%,散在性に発育するsporadic LAMでは50%にAMLがみられます。

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