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カラー図解 人体の正常構造と機能 第3巻 消化管〈第3版〉

高度な内容をやさしく学べる画期的な教科書

定価:6,048円
(本体5,600円+税)

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著: 河原克雅(北里大学教授)
佐々木克典(信州大学教授)
判型: A4変型判
頁数: 96頁
装丁: カラー
発行日: 2017年02月25日
ISBN: 978-4-7849-3220-7
版数: 第3版
付録: -

シリーズ累計20万部突破! 待望の改訂版

人体の構造と機能を臓器別全10巻に編集したシリーズ。解剖学・生理学の高度な内容をやさしく学べる教科書として評判を呼び、シリーズ総発行部数は20万部にのぼります。第3版は、最新の知見に基づいて内容を更新するとともに、さらに読みやすく、わかりやすい教科書をめざしました。

◆図解を中心とした構成  フルカラーの図解を中心に構成したビジュアルな紙面。どの教科書よりも図が豊富でわかりやすいとの評価をいただいています。
◆見開き完結  ひとつのテーマが見開きで完結するよう編集。重要事項をコンパクトにまとめてあり、読みやすく理解しやすい。
◆解剖・組織・生理の連携  図解に沿ってマクロ・ミクロの構造を学び、その構造がどのような機能を果たしているのか、そしてその構造や機能を支えている物質は何かを、順を追って学習できるよう構成しました。読み進めていくうちに、各臓器の構造と機能のつながりが実感できます。

目次

消化管の概観
消化管は外界に開いた中空の管で,口から肛門まで長さ9mに及ぶ
消化管は食物を低分子の栄養素に分解し,細胞が利用できる形に変える
消化とは,酵素により食物を加水分解する化学反応である

顎・口腔
顎関節は上下2段の関節腔を持ち,下顎を自由に動かす
4つの咀嚼筋が下顎を閉じ,前後左右のすり合わせ運動を行う
舌は多数の筋からなる筋性器官である
3種の大唾液腺と多数の小唾液腺が口腔内に唾液を分泌する
唾液腺には粘液細胞と漿液細胞があり,自律神経により分泌が調節される

咽 頭
咽頭は横紋筋の管で,気道と消化管が交叉する
口腔の筋と咽頭の筋が順序よく働いて,食塊を食道へ送り込む

食 道
食道は気管と脊柱に挟まれて下行し,横隔膜を貫いて腹腔に出る
蠕動により,逆立ちしていても食塊は胃に送られる
食道の静脈は上大静脈と門脈の吻合路となる


胃は心窩部付近にあり,腹膜でゆるく固定されている
平滑筋による蠕動運動は,胃内容を撹拌して少量ずつ送り出す
胃の粘膜は,びっしりと並んだ胃腺でできている
固有胃腺は4種類の細胞がトンネル状に並び,胃液を分泌する
酸分泌細胞のH+ポンプが胃酸(HCl)を分泌する
胃液の分泌は迷走神経と局所ホルモンによって調節される
胃粘膜は粘液のバリアーで自らを守る

小 腸
十二指腸の大半は後腹壁に固定されている
小腸内壁の表面積はバレーボールのコートより広い
腸管は豊富な壁在神経叢を持ち,自律的に蠕動と分泌を調節する
絨毛を構成する吸収上皮細胞は24時間で新しい細胞に入れ替わる
微絨毛の膜が最終的な消化吸収の場である

栄養素の消化と吸収
3大栄養素の消化は加水分解,吸収は小腸粘膜細胞の膜輸送である
炭水化物は単糖に分解され,Na+とともに細胞内に入る
蛋白質はジペプチドやアミノ酸に分解され,それぞれの輸送体で吸収される
脂質は胆汁酸の助けを借りて粘膜表面に運ばれ,単純拡散で吸収される
腸管に入った水の98%は吸収される
ビタミンの多くは生体内で合成できないため,食物から摂取しなければならない

大 腸
結腸のうち横行結腸とS状結腸のみが間膜を持つ
回腸末端が盲腸内に突出して弁となり,逆流を防ぐ
直腸の下1/3は漿膜を欠き,周囲臓器と直に接する
肛門管は粘膜と皮膚が出会う場所である
結腸は水分を吸収して糞便を固め,直腸へ押し出す

消化管の病態
嘔吐は生理的防御反応である
蠕動運動のバランスが崩れると下痢や便秘になる
あらゆる食物抗原がアレルゲンになりうる

消化管と腹膜の発生
消化管は卵黄嚢のくびれから,1本の真っ直ぐな管として生ずる
胃と腸は回転しながらそれぞれの位置に収まる
前腸と中腸の回旋に伴い,腸間膜に大きな変化が起こる

[基礎知識]
上皮組織の分類

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序文

 「腹が減ってはいくさが出来ぬ」「腹八分目に医者いらず」
 消化器系に関係することわざは,わかりやすくて含蓄に富んでいます。消化管は体細胞の生命活動に必要なエネルギー源を体外から取り入れる役割があることと,暴飲暴食は体に悪いことを端的に表現しています。
 口から摂取した食物は,消化管を通過する過程で消化され,栄養分や水分を吸収され,翌日ウンチとして排出されます。消化とは,酵素の働きにより,高分子の食物をその構成要素に加水分解する化学反応です。吸収は,消化管粘膜の細胞膜に発現している特殊な輸送体(膜蛋白)による膜輸送です。管内の食物塊は,消化管を取り囲む平滑筋の働きで,口側から肛門側へ移動していきます。これが蠕動運動です。消化酵素は,唾液腺,胃腺,膵腺などの消化腺から分泌されたり,小腸粘膜の表面に存在します。
 もう1つ忘れてはいけないのは,消化管は「体腔を貫く管」だということ,つまり管内は外部環境の延長線上にあることです。そのため,胃腺は強い酸を分泌し,食物に付着している雑菌を殺菌する働きを与えられています。また,消化管の粘膜下にはリンパ系細胞が多数存在し,細菌やウイルスの侵入を防ぐ働きも持っています。
 これらの複雑な機能を果たすために,消化管は共通の構造を持ちながらも,各部位でそれらを微妙に変化させ,さまざまな細胞をちりばめながら,見事に統一のとれたシステムを作り上げています。
 「消化吸収」という誰もが知っている言葉の医学的な意味と,普段あまり意識されない消化管免疫防御系を,最新の医学の知識をもとに解きあかし,消化器系を科学的に理解してもらうのがこの本の目的です。消化管の構造と機能の記述がうまく絡み合って興味を引くことができたならば,その功績は筆者よりも編集部のご努力に負うところが大きい。この場を借りてお礼を申し上げる次第です。

河原克雅・佐々木克典

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