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画像診断報告書の確認不足[医療安全情報UpDate]

No.4909 (2018年05月26日発行) P.16

登録日: 2018-05-25

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  • 画像診断報告書の確認不足により検査目的以外の所見に気付かず、治療が遅れた事例の報告が相次いでいる。
    日本医療機能評価機構は15日、「医療安全情報No. 138」を発出。2015年1月から18年3月までの集計で、こうした事例が37例報告されているとして、注意を呼び掛けた。そのうち、36例がCT検査の事例だった。
    ある事例では、外来診察日に肝内胆管癌手術後のフォローアップでCT検査を行った。検査後、主治医は画像を見て患者に説明し、その後画像診断報告書の確認を忘れた。5カ月後、再度CT検査を実施し、放射線科医師が過去のCT画像と比較しようとしたところ、5カ月前の画像診断報告書が未読であり、肺癌疑いと記載されていることに気付き、主治医に連絡した。
    画像診断報告書の確認不足を巡って同機構は、これまでも注意喚起を行ってきた。
    昨年公表した「医療事故情報収集等事業第51回報告書」では、「画像検査は、精査や治療経過のフォローなどの目的があって行われるため、検査をオーダした医師は撮影目的の部位に注目してしまい、他の病変を見落とすことがある」「画像診断報告書が報告される前に画像を確認することができるため、画像と報告書にタイムラグが生じ、画像のみで診断してしまう状況がある」と指摘。医師は担当している多くの患者の画像や画像診断書の確認の必要があり、繁忙な業務の中では確認を失念する可能性があるとした上で、画像診断報告書が報告されたことや画像検査を依頼した診療科が画像診断報告書の内容を確認したこと、患者に説明したことなどが一目で分かるシステムの開発が必要だとしている。

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