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腎臓病療養指導士に期待される役割(要 伸也 杏林大第一内科(腎臓・リウマチ膠原病内科)教授)【この人に聞きたい】

No.4907 (2018年05月12日発行) P.8

要 伸也 (杏林大第一内科(腎臓・リウマチ膠原病内科)教授)

登録日: 2018-05-11

最終更新日: 2018-05-10

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保存期CKDの指導全般を任せられる
かかりつけ医と腎臓専門医の橋渡し的存在
専門医のいない地域も含めて診療水準向上を目指す

かなめ しんや:1983年東大卒。同大第四内科、米La Jolla癌研究財団研究所、東大腎疾患総合医療センター講座客員助教授などを経て、2007年2月杏林大第一内科(腎臓・リウマチ膠原病内科)助教授。同年4月より准教授、腎・透析センター長兼任。14年より現職。日本腎臓学会理事。関連4団体の「腎臓病療養指導士創設に関する合同委員会」委員長を務める。

慢性腎臓病(CKD)診療に携わる看護師、薬剤師、管理栄養士向けの新資格「腎臓病療養指導士」が創設され、第1回認定試験に合格した734人が4月から現場で活躍を始めている。保存期CKD患者に生活・服薬・栄養の包括的指導を行い、腎代替療法の選択肢(血液透析、腹膜透析、腎移植)の説明も担うという同資格の創設が持つ意味とは?資格創設において中心的役割を担った要伸也氏(杏林大教授)に創設の背景や今後の展望も含めて聞いた。

─資格創設の背景について教えてください。

CKD診療はチーム医療で回していくものです。CKDの早期発見とステージG3aくらいまでの診療はかかりつけ医、さらに進めば専門医あるいはかかりつけ医との併診となりますが、どの段階をとっても、看護師、薬剤師、管理栄養士たちの知識と経験を生かした指導が必要になります。

資格がなくても療養指導はできますが、あればコメディカルにとってモチベーションアップにつながるし、結果的に診療水準が上がれば連携もしやすくなります。

資格創設の動きは10年程前からありましたが、本格始動したのは2年前(2016年)です。各職種を代表する日本腎臓学会、日本腎不全看護学会、日本腎臓病薬物療法学会、日本栄養士会の4団体で議論を重ね、各団体の既存の認定資格との棲み分けを図り、4団体の合同認定という形にしました。例えば、療養指導士になった看護師がもっと透析を勉強したいとなれば、日本看護協会の透析認定看護師を取ることもできます。逆に、各職種の専門資格を既に持っている人には軽減措置を設け、療養指導士を取りやすくしています。

この調整にかかる作業が制度設計で最も苦労した点ですが、団体トップの交流が深まったのは良かったと思っています。

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