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緩和領域におけるACP【患者の意思がより治療に反映される方向へ進んでいる】

No.4900 (2018年03月24日発行) P.51

中山博文 (がん研究会有明病院緩和治療科副医長)

登録日: 2018-03-27

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「終活」という言葉が最近よく聞かれるようになった。終活は「人生の最後を自分の望むように自分で準備すること」1)と知られ,死を予見した人間が終末に向けての活動・準備に自身の意思を反映させることを意味する。

緩和領域では,ACP(advance care planning)という言葉が多く聞かれるようになった。ACPは「事前ケア計画」と訳され,予測される病状・状態の変化を考慮し,希望する治療・ケア,意思決定能力を失った際の対応をあらかじめ話し合うプロセス・計画を指している。患者の考えや価値観を医療者,家族と共有することで,患者と家族の不安を軽減させ,満足度を向上させることが示されている2)

事前指示書であるリビングウィル(意識喪失状態で意思決定ができなくなった場合に希望する治療内容を示す書面)・医療委任状(意思決定能力喪失の場合に意思決定の権限を他の人に与えたことを示す文書)・アドバンスディレクティブ(意思決定能力を失う前に能力喪失後の生命維持治療を示すもの:「蘇生処置不要」など)3)が話し合われることになるが,これらACPの中で決定した事項を書き残した書面は,いわば里程標と考えることができる。問題点は,開始する時期が明らかでないこと,患者の考えは時間とともに変化すること,が挙げられる。諸問題はあるが,患者の考え・価値観がより治療に反映される方向へと変化することは間違いない。

【文献】

1) 自由国民社:ユーキャン新語・流行語大賞2012.

2) Detering KM, et al:BMJ. 2010;340:c1345.

3) National Cancer Institute:Planning the Transition to End-of-Life Care in Advanced Cancer(PDQ®)─Health Professional Version. 2017.

【解説】

中山博文 がん研究会有明病院緩和治療科副医長

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