株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

アストラゼネカ:気管支喘息治療薬「ファセンラ」、好酸球を直接・迅速に除去[新薬開発・販売 FRONTLINE]

No.4897 (2018年03月03日発行) P.17

登録日: 2018-03-01

最終更新日: 2018-03-01

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

アストラゼネカは2月26日、1月19日に製造販売承認を取得した気管支喘息治療薬「ファセンラ皮下注30mgシリンジ」(一般名:ベンラリズマブ)について、メディア向けセミナーを開催した。

ファセンラは、抗体依存性細胞傷害活性(ADCC活性)によりナチュラルキラー細胞を誘導し、血中好酸球を直接的かつ速やかに除去する生物学的製剤。血中のみならず喀痰中や気道組織中に潜在する好酸球まで除去する。

重症喘息患者は約50%で好酸球値が高い傾向があり、好酸球レベルが上昇すると気道炎症や気道過敏性を引き起こし、喘息増悪や呼吸機能の低下を招くとされている。26日のセミナーで講演した国際医療福祉大臨床医学研究センター教授の足立満氏は、ファセンラの治療で好酸球が除去されれば、年間喘息増悪率の低下、経口ステロイド薬服用量の減少、喘息に伴う緊急受診や入院の減少など、様々な変化が期待できると強調した。

ファセンラについては、2017年10月に日本アレルギー学会から早期承認を求める要望書が出されており、こうした状況を踏まえ、アストラゼネカは、保険外併用療養費制度の下、薬価収載までの期間、同剤の倫理的無償提供を実施するとしている。

「ファセンラ」の効能・効果/用法・用量
【効能・効果】気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)
【用法・用量】1回30mgを初回、4週後、8週後に皮下に注射、以降8週間隔で皮下に注射

関連物件情報

もっと見る

page top