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肝胆膵外科におけるシミュレーション・ナビゲーションの役割と将来展望【最小限の侵襲,正確な手術,術中の外科医のストレス軽減に寄与。新システムによりさらなる安全性・根治性の向上が期待される】

No.4897 (2018年03月03日発行) P.53

丸山通広 (国立病院機構千葉東病院外科統括診療部長)

青木武士 (昭和大学藤が丘病院消化器一般外科准教授)

登録日: 2018-03-02

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  • 肝胆膵外科におけるシミュレーション・ナビゲーションの役割と将来の展望についてご教示下さい。昭和大学・青木武士先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    丸山通広 国立病院機構千葉東病院外科統括診療部長


    【回答】

    肝胆膵外科においては,その局所解剖が複雑でバリエーションに富んでおり,1つの誤認が致命的な合併症を引き起こす危険性があります。手術リスクを回避するため,3次元画像による術前シミュレーションや目標に導く術中ナビゲーションの開発と実用化が期待されてきました。

    理想的なシミュレーションとして,以下の3点が挙げられます。

    ①術前に個々の患者におけるCTなどの画像データを用いて,コンピューター上などの仮想空間内に三次元モデルを作成する。
    ②客観的・定量的評価基準に基づき個々の患者に最適と思われる手術計画を立案する。
    ③手術リハーサルをコンピューター上で行い,手術スタッフの間で共有する。

    また,究極のナビゲーションとしては,以下の2点が目標となります。

    ①作成した局所解剖情報を実空間の患者に重ね合わせる。
    ②手術の進行に合わせ,リアルタイムで手術デバイスと腫瘍や脈管との位置関係を示す。

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