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乳児血管腫におけるプロプラノロールの適応,投与法【適応判断は適正使用ガイドに則る。1日1mg/kgから投与開始。奏効率は高い。効果不十分の場合,症状に応じた追加治療を施す】

No.4896 (2018年02月24日発行) P.53

浅野善英 (東京大学医学部皮膚科准教授)

神人正寿 (和歌山県立医科大学皮膚科学教授)

登録日: 2018-02-21

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  • 乳児血管腫におけるプロプラノロールの適応,投与法,奏効率,および同薬による治療で効果が不十分な症例における他治療の位置づけについて,和歌山県立医科大学・神人正寿先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    浅野善英 東京大学医学部皮膚科准教授


    【回答】

    (1)適応

    巨大な乳児血管腫を有する患児に併発した閉塞性肥大型心筋症に対しプロプラノロールが投与され,それが血管腫の退縮をもたらしたというセレンディピティが2008年にフランスから報告されて以来,既に欧米では治療が必要な病変に対してプロプラノロールが第一選択として用いられるようになっています。

    わが国でも2016年9月より使用できるようになっていますが,適応はあくまで乳児血管腫です。その他の血管病変でも有効例が報告されていますが,やはり有効率は落ちる印象です。また,乳児血管腫ならば全例に投与が必要というわけではなく,1つの目安として皮膚科,形成外科,小児科のエキスパートにより作成された本剤の適正使用ガイドでは,絶対適応として「内臓,声門部,気道,眼瞼,眼窩内に生じた乳児血管腫,潰瘍を形成した乳児血管腫,顔面の広範な乳児血管腫,増殖が急激な乳児血管腫」が挙げられる一方で,「腫瘤型の乳児血管腫,露出部にある乳児血管腫」は相対適応として両親の希望があれば投与を検討してよい,と記載されているので,参考にできると思います。

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