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診療報酬改定~かかりつけ医の初診機能を評価【中医協】

登録日: 2018-01-10

最終更新日: 2018-01-10

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10日の総会の診療側委員

2018年度診療報酬改定に向けて議論している中央社会保険医療協議会の総会が10日に開かれ、外来診療の評価を見直し、かかりつけ医機能を有する医療機関の初診の機能をより重視する方針が了承された。初診料の引上げとなるのか、加算での対応となるのか、評価の方法が今後の焦点となる。

総会で厚労省は、外来医療の今後の方向性について「医療機関間の適切な役割分担を図るための『緩やかなゲートキーパー機能』を念頭に、大病院の外来は紹介患者を中心とし、一般的な外来受診は『かかりつけ医』に相談することを基本とするような、外来医療の病診連携・機能分化が求められている」と指摘。その上で、「初診患者の診療を担う機能については、大病院ではなく、患者が気軽に相談できる機能や専門医療機関へ紹介できる機能を有する医療機関による、より的確で質の高い診療機能を評価する方向で対応してはどうか」と提案。診療側、支払側ともに賛同した。

評価の方法について支払側委員は「かかりつけ医を増やすために初診の加算を増やすことは理解するが、施設基準に見合った点数にしてほしい」(幸野庄司委員・健康保険組合連合会)などとして、点数設定について慎重な検討を求めた。

■入院基本料、中間的評価は2段階に

この日の総会では、入院医療に関する10回目の議論を行った。これまでの議論で、一般病棟入院基本料(7対1、10対1)を再編・統合し、7対1一般病棟と10対1一般病棟との間に中間的な水準の評価を設けることが提案されている。この中間的な評価について10日の総会で厚労省は、2つの段階を設けることを提案し、了承された。

また、一般病棟入院基本料の重症度、医療・看護必要度の定義・判定基準の見直しも決まった。具体的には、「『A得点1点以上かつB得点3点以上』かつ『B14 診療・療養上の指示が通じる』または『B15 危険行動』のいずれかに該当している患者」を追加し、「C18開腹手術」の所定日数を5日→4日へ変更する。当初厚労省は「A8救急搬送後の入院」についても変更することを提案したが、診療側、支払側ともに賛同せず、見送られた。



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