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「多様な症状」を「機能性身体症状」とするリーフレット作成へ【HPVワクチン】

No.4888 (2017年12月30日発行) P.14

登録日: 2017-12-25

最終更新日: 2017-12-26

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厚生科学審議会副反応検討部会と薬事・食品衛生審議会安全対策調査会が22日に開いた合同会議で、厚生労働省はHPVワクチンに関する情報提供のリーフレットの修正案を提示した。リーフレットには、ワクチン接種後の副反応疑いとして報告されている原因不明の「多様な症状」を「機能性身体症状」だとする説明が盛り込まれる。リーフレットは年明けにも厚労省HPで公表する予定。

リーフレットは、被接種者と保護者、医療従事者向けに作成されている。従来、医療従事者向けのリーフレットでは、疼痛または運動障害を中心とする多様な症状が報告されているとの記載にとどまっていたが、修正案では、多様な症状について、「機能性身体症状であると考えられる」と明記。

機能性身体症状については「痛み等の何らかの身体症状があり、病院を受診し、画像検査や血液検査の結果を受けた結果、身体症状に合致する検査上の異常や身体所見が見つからず、原因が特定できない」状態と説明している。

さらに身体症状は、①痛み、しびれなど知覚に関するもの、②力が入らない、安定して歩けないなど運動に関するもの、③動悸、下痢など自律神経に関するもの─などさまざまだとした上で、痛みが特定の部位から広がることや、運動障害が診察所見と実際の運動の乖離、注意がそれた場合の所見の変化、症状の変動性など機能性に特有の所見が見られる場合があると指摘。

臨床現場では専門分野や病態の捉え方、主症状の違いなどにより、「身体症状症」「繊維筋痛症」などさまざまな傷病名で診療が行われていることや、病因に関する仮説に基づいた新しい傷病名が付けられている場合もあるとした。

厚労省は検討会での意見を踏まえ、医療従事者に幅広い情報共有を実施するため、医師会や学会と連携した情報提供を検討する方針。


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