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放射線治療と分子標的薬の併用【併用について標準治療や禁忌の分子標的薬はないが,セツキシマブのみ併用を推奨。今後の課題は免疫療法との併用】

No.4888 (2017年12月30日発行) P.62

松下晴雄 (東北大学大学院医学系研究科)

北原 規 (東海大学医学部付属八王子病院放射線治療科学 特任教授)

登録日: 2017-12-30

最終更新日: 2017-12-22

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  • 放射線治療と分子標的薬の併用に関して,薬剤と部位の組み合わせで明らかな併用禁忌や一般的に許容される組み合わせ,あるいは推奨される組み合わせなど,最近の適応の事象をご教示下さい。
    東海大学医学部付属八王子病院・北原 規先生のご回答をお願いします。

    【質問者】

    松下晴雄 東北大学大学院医学系研究科 放射線腫瘍学講座准教授


    【回答】

    結論から申しますと,現時点では,放射線との併用が正式に標準治療や禁忌となっている分子標的薬はありません。ただ,併用が有用であるものや注意深い使用が勧められる薬剤はありますので,それらに関して述べます。

    ・悪性神経膠腫に対するベバシズマブ(+テモゾロミド+照射)の治療は,高いエビデンスはありませんが,脳浮腫に対するベバシズマブの効果が判明しているためしばしば行われます。全生存期間(overall survival:OS)の有意差はありません。

    ・進行頭頸部癌に対する照射とセツキシマブの併用に関しては,世界的にレベルⅠbのエビデンスが確立していますが,わが国では安全性のみ確認後承認となりました。

    ・ゲフィチニブと照射の併用に関しては,効果面でのエビデンスが乏しく間質性肺炎の報告もあるため,臨床試験での使用以外は推奨されません。EGFR阻害薬は「適正使用ガイド」にて臨床上,慎重投与となっていますので,同時併用は避けるべきです。

    ・禁忌と確定されてはいませんが,ベバシズマブの消化管系副作用が照射により増悪する報告があります。同時併用でなくても同様のことが起き,ベバシズマブ投与後に8Gy/1Frの腰椎照射のみで腸管穿孔が生じたとの症例報告もあります。

    ・ニボルマブの照射効果増強に関しては,現在P-Ⅲの治験が行われていますが,エビデンスは証明されていません。

    以上から,下記のことが言えます。

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