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患者の緊急度判断の現状と今後の展望【緊急度判定体系やJTAS等を使用。患者の意思を尊重した判断が必要】

No.4886 (2017年12月16日発行) P.62

坂本哲也 (帝京大学医学部救急医学教授)

森村尚登 (東京大学大学院医学系研究科救急科学教授)

登録日: 2017-12-13

最終更新日: 2017-12-12

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  • 患者の緊急度判断の現状と今後の展望についてご教示下さい。
    東京大学・森村尚登先生のご回答をお願い致します。

    【質問者】

    坂本哲也 帝京大学医学部救急医学教授



    【回答】

    「緊急度」(acuity)が,「時間が重症度に及ぼす影響の程度」と一般に定義されることを鑑みますと,緊急度判断とは,重症化する速度の判断または重症化を防ぐための診療介入までの「持ち時間または時間的余裕」の判断ということになります。

    昨今,高齢者所帯の増加,核家族化,傷病についての相談相手の欠如,受療行動の変化,在宅医療の推進など様々な因子の関与によって,救急需要が増大し続けています。これに対して有限な救急医療資源を効率よく提供するための一手段として,社会全体で共有できる「緊急度判定体系」が行政主導で構築されてきました。緊急度を「最緊急」「準緊急」「低緊急」「非緊急」に類型化し,自己判断,電話相談,119番通報時,救急現場,そして救急外来の5つの場面において緊急度判断のための指標とアルゴリズムを用いて緊急度判断を行い,「適度」な量と質の医療を「適度」な場所で「適度」な時間内に患者に提供しようというものです。

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