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局所再発をきたした甲状腺乳頭癌の治療【画像診断で遠隔転移がない場合には,可能であれば外科切除が基本】

No.4885 (2017年12月09日発行) P.61

田中克浩 (川崎医科大学乳腺甲状腺外科学教室准教授)

鈴木眞一 (福島県立医科大学甲状腺内分泌学講座 主任教授)

登録日: 2017-12-08

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  • 再発甲状腺乳頭癌について質問があります。術後頸部リンパ節再発が出現した場合に,外科的治療にて根治可能と判断しても,その後に放射性ヨウ素内用療法(radioactive iodine:RAI)を追加すべきでしょうか。つまり,初回治療が非全摘症例の場合の再発リンパ節根治切除の際に,補完全摘を同時にするかどうか迷っています。追加するかしないかは,再発が縦隔リンパ節でも考え方は同じでしょうか。
    福島県立医科大学・鈴木眞一先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    田中克浩 川崎医科大学乳腺甲状腺外科学教室准教授


    【回答】

    甲状腺乳頭癌リンパ節再発に関しては,直ちにRAIの適応があるわけではありません。画像診断で遠隔転移がない場合には,可能であれば外科切除が基本と考えます。この適応は縦隔リンパ節でも同様です。

    その後のアブレーションのために同時に補完全摘術(completion thyroidectomy)をするかというと,アブレーションはそもそも,初回手術がハイリスクであれば,わが国の「甲状腺腫瘍診療ガイドライン 2010年版」でも全摘,術後アブレーション,TSH抑制療法などが望ましいとされています1)2)

    ご質問のような,再発時に残存甲状腺が残っている場合というのは,原則的に「初回はハイリスクではなかった」と判断されます。したがって,低リスクないしグレーゾーンとされている中間リスクの場合,リンパ節再発も「どこに再発したか」で異なるのではないでしょうか。

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