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オセルタミビル投与は「生後2週以降が対象」【小児科学会治療指針】

No.4885 (2017年12月09日発行) P.16

登録日: 2017-12-05

最終更新日: 2017-12-07

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日本小児科学会は11月27日、「2017/18シーズンのインフルエンザ治療指針」を公表した。公知申請(用語解説)により、1歳未満への適応が3月に正式承認されたオセルタミビル(商品名:タミフルドライシロップ)に関して、「生後2週以降の新生児が対象である」と注意を呼び掛けている。

治療指針では、1歳未満の新生児・乳児へのオセルタミビル投与について「体重2500g未満の児または生後2週未満の新生児は使用経験が得られていない」と強調。投与する場合には、下痢・嘔吐などの副作用の発現に注意を求めている。オセルタミビルの予防投与は原則として推奨せず、必要と認めた場合に限り「2mg/kgを1日1回、10日間内服」を検討するとしている。

10歳以上へのオセルタミビルの投与については「原則として使用を差し控える」と明示。吸入粉末剤のザナミビル(リレンザ)、ラニナミビル(イナビル)の投与が困難と考えられる呼吸器疾患や乳アレルギーのある小児には「異常行動などについて注意を行った上で投与を考慮することが必要」とした。

治療指針ではまた、インフルエンザA/H1N1pdm09のうち、オセルタミビルとペラミビル(ラピアクタ)への感受性が低下したH275Y変異株など、ノイラミニダーゼ阻害薬耐性株による重症例への対応についても解説している。

【公知申請】:医薬品の適応追加申請のうち、有効性・安全性が既に広く知られており臨床試験を新たに実施しなくてもよいもの。薬事・食品衛生審議会の事前評価が終了した段階で薬事承認前に保険適用される。オセルタミビルの1歳未満への適応は2016年11月24日に保険適用済。

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