夭折の詩人17+1名を取り上げ、その生き様と死の行方を、詩人・正津勉が綴る。東洋出版から2015年に刊行。
『詩人の死』(正津勉著)は、明治、大正、昭和の夭折の詩人を取り上げている。著者は、明治27年没の北村透谷から昭和58年没の寺山修司まで、夭折した詩人の人生、詩と死の模様を素描したという。明治時代に新体詩が生まれ、近代詩に進化。ここに収録の詩人の文体もソネット、散文詩、叙情詩など多彩だ。
夭折とは青年期までの死とするのが一般的か。時代と共に解釈も変わりそうだ。年齢だけでなく、志半ばの死、精神的な若さを持ち続けたままでの死を指す場合もある。「あとがき」で付記された谷川雁は享年72歳、谷川を「夭折の権利を留保した詩人」と紹介している。
誰もが避けられない死、いつの時代も同じ。穏やかな死、そうではない死。病死、事故死、自死、戦死。失望、困窮の中に迎えた死。
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