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原発性アルドステロン症の検査は高齢者ではどこまで必要か【低カリウム血症合併,Ⅱ度以上の高血圧,治療抵抗性高血圧,副腎偶発腫合併例が対象】

No.4884 (2017年12月02日発行) P.55

山本浩一 (大阪大学老年・総合内科講師)

登録日: 2017-12-03

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高血圧の5~10%程度の原因とされる原発性アルドステロン症(PA)は,本態性高血圧より臓器合併症が多いことから,その早期発見が重要であるとされる。一方,高血圧は,高齢者の50%以上に認めるcommon diseaseであり,高齢高血圧患者に対し,どこまでPAのスクリーニングを行うべきかについては,明確な根拠は存在しない。

2016年発表のPAコンセンサスステートメントにおいては,スクリーニングを行うべき対象者として,①低カリウム血症合併例(利尿薬誘発例を含む),②若年者の高血圧,③Ⅱ度以上の高血圧,④治療抵抗性高血圧,⑤副腎偶発腫合併例,⑥40歳以下での脳血管障害発症例,としており,現状では①,③,④,⑤に当てはまる場合は,高齢者においてもスクリーニングの対象とすべきである。また,機能確認検査で確定診断されたPA患者に対しては,副腎摘出術の適応となる片側性PAを同定する副腎静脈サンプリング(AVS)の適否を判断する必要がある。しかし,これに関しても高齢者でのデータは乏しく,AVSによる片側性PAの同定率や副腎摘出術後の改善等に関する高齢者でのエビデンスが求められる。

筆者らは現在,AVS施行PA患者の全国規模のデータベースを用いて高齢PA患者のAVSに関する解析を行っており,その結果が高齢者PAのエビデンス構築に寄与することが期待される。

【参考】

▶ 日本内分泌学会, 他:日内分泌会誌. 2016;92(Suppl): ii-49.

【解説】

山本浩一 大阪大学老年・総合内科講師

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