硝子体手術は,開発されてから50年弱の比較的新しい眼科手術である。長らく,網膜(図1)および硝子体は,触れることは禁忌であると恐れられていた部位であった。1970年に初めて閉鎖腔で行う硝子体手術が登場したが1),合併症も多く,しばらくの間は失明するのは当たり前の,危険きわまりない手術と言われていた。その危険性から,当初の手術の適応は,長期の硝子体出血や混濁など,手術しなければ回復の見込みが著しく低いもののみであった。
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