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「イグザレルト」副作用未報告でバイエル薬品に改善指導【厚生労働省】

登録日: 2017-10-02

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製薬会社のバイエル薬品が、患者アンケートなどで把握した抗血液凝固薬「イグザレルト」などの医薬品86例の副作用を国に報告していなかった問題で、厚生労働省は9月29日、医薬品医療機器等法違反に当たるとして、バイエル薬品に改善指導を行った。

厚労省によると、副作用報告の義務違反が判明したのはイグザレルトのほか、同じく抗血液凝固薬の「バイアスピリン」、抗がん剤の「スチバーガ」「ネクサバール」。最長約4年11カ月の報告遅延があった。厚労省は、添付文書の改訂や製品の回収など、直ちに追加の安全対策を講じる必要性はないとした上で、他の製薬会社でも副作用未報告がないか自主点検するよう求めている。

厚労省はこのほか、バイエル薬品が関与した調査論文の集計作業がずさんで副作用の数値に誤りがあったことや、医師による論文取り下げ後もその論文を引用した広告資材が利用されていた事例などを確認。適正な広告プロモーションの観点からみて不適切だとして、同日に口頭指導を実施した。厚労省は、広告プロモーションが現在、日本製薬工業協会や各製薬会社の自主規制に委ねられていることを問題視し、今後類似事例が発生しないよう、製造販売業者による適正なプロモーション活動のルールについて、厚労省としてガイドラインの策定を検討する方針。

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