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右腎癌全摘患者への薬用量は?【体表面積補正などに留意しつつeGFRを参考として判断する】

No.4873 (2017年09月16日発行) P.63

桑原篤憲 (川崎医科大学腎臓・高血圧内科学講師)

柏原直樹 (川崎医科大学腎臓・高血圧内科学教授)

登録日: 2017-09-16

最終更新日: 2017-09-12

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  • 57歳,女性。2年前に右腎癌(径62mm)を全摘しました。このような患者の薬物療法は健常者と同様でよいのでしょうか。片腎のため腎機能に配慮しますが,eGFRは参考になりますか。高血圧でカンデサルタン(ブロプレス®)を内服中です。

    (埼玉県 Y)


    【回答】

    薬物療法の場合,健康者と同量を投与してよいかどうかを判断するには,eGFRが参考になりますが,いくつかの注意点があります。

    薬の投与量を減量すべきかどうかを判断するには,①正確な腎機能〔糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR)〕を評価すること,②腎機能低下時に薬の減量,または投与間隔の延長が必要なのか,を把握することが大変重要になります。

    正確な腎機能(GFR)評価には,イヌリンクリアランスが最良ですが,煩雑で臨床現場ではほとんど用いられません。その代わりに,ご指摘の血清クレアチニン値から推算するeGFRcreat(日本人のGFR推算式)を用いて腎機能を評価しています。

    〔日本人のGFR推算式〕

    ・男性eGFRcreat(mL/分/1.73m2) =194×血清Cr(mg/dL)-1.094×年齢(歳)-0.287
    ・女性eGFRcreat(mL/分/1.73m2) =男性eGFRcreat×0.739

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