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センター調査結果を将来的に公表か【日本医療安全調査機構】

No.4872 (2017年09月09日発行) P.15

登録日: 2017-08-31

最終更新日: 2017-09-07

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医療事故調査制度を評価する医療事故調査・支援事業運営委員会が8月30日に都内で開かれ、日本医療安全調査機構の高久史麿理事長が、医療事故調査・支援センターの調査結果を将来的に公表する方向で厚生労働省と議論する考えを明らかにした。

機構は医療事故調査制度の第三者機関である「医療事故調査・支援センター」の運営を担っている。医療事故が発生した医療機関は原因を明らかにするために院内調査を行い、調査結果をセンターに報告するが、当該医療機関の管理者または遺族の依頼があればセンターが再調査を行う。センター調査報告書は遺族と医療機関双方に交付する。2015年10月の制度開始以来、7月末時点で医療事故の報告件数は674件。このうちセンターに再調査依頼があったのは42件、センター調査報告書を交付したのは1件で、現在28件の再調査が進んでいる。また、センター調査にこれまで、46学会295人の専門家が参加しているという。

同日の会議で高久理事長はセンター調査について、「目的は医療事故の原因を明らかにして再発防止策を検討するもの。しかし現行の法律ではセンター調査の結果は遺族と医療機関に報告するのみ」と指摘し、「センター調査による再発防止策は貴重な提言なので、将来的には個人情報を伏せた形で広く医療機関等に知ってもらうよう厚労省と話をしたい」との意向を表明した。

この提案に対し、運営委員会の樋口範雄座長は「センター調査は誰のためのものか、というのが大事な視点。基本的な難問だが、今後どうしていくか皆さんの意見を聞いて考えていきたい」と話した。


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