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若年者の増殖糖尿病網膜症(PDR)における手術適応【ショートパルスレーザーや抗VEGF薬の硝子体内注射により治療のタイミングをコントロール】

No.4867 (2017年08月05日発行) P.66

石羽澤明弘 (旭川医科大学眼科学教室)

井上 真 (杏林大学医学部付属病院眼科(アイセンター) 教授)

登録日: 2017-08-03

最終更新日: 2017-08-01

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  • 近年,小切開硝子体手術(micro incision vitrectomy surgery:MIVS)の発達により,低侵襲な硝子体手術が可能となり,その適応も拡大しつつあります。しかし,特に若年者における増殖糖尿病網膜症(proliferative diabetic retinopathy:PDR)の増悪症例では,後部硝子体剥離が作成困難なケースもあり,医原性裂孔形成から増殖硝子体網膜症に至るリスクも高く,増殖膜形成や牽引性網膜剥離が一部に生じていても,黄斑部に影響がない限り,手術に踏み切るかは議論があると考えられます。一方で重症化しすぎる前に手術してしまうほうが,結果的に視力予後は良いという意見もあります。若年PDRにおけるMIVSの適応についてお教え下さい。杏林大学・井上 真先生にお願いします。

    【質問者】

    石羽澤明弘 旭川医科大学眼科学教室



    【回答】

    若年者で増殖性変化が生じた場合には,急速に病態が増悪します。同時に血糖コントロールが不良なことも多く,治療のタイミングに苦慮します。網膜光凝固術後に増悪するようなケースもありますが,低侵襲のショートパルスレーザーや抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)薬の硝子体内注射を補助的に使って,治療するタイミングをコントロールできるようになってきました。

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