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筋炎の診断・治療効果判定に対する筋電図の効果【神経原性疾患との鑑別,筋障害の検出や筋炎の確定診断に有用】

No.4867 (2017年08月05日発行) P.64

森 まどか (国立精神・神経医療研究センター神経内科医長)

園生雅弘 (帝京大学医学部神経内科主任教授)

登録日: 2017-08-02

最終更新日: 2017-08-01

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  • 筋炎の診断と治療効果判定に筋電図はどのように役立ちますか。帝京大学・園生雅弘先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    森 まどか 国立精神・神経医療研究センター神経内科医長


    【回答】

    筋炎の針筋電図所見は,以下のようにまとめられます。

    (1)安静時活動における所見
    ①線維自発電位/陽性鋭波(fibrillation potential/positive sharp wave:fib/PSW)の出現(必発。筋線維の壊死再生のためと考えられている)。
    ②ミオトニー発射,複合反復発射などがみられることがある。

    (2)随意収縮時活動における所見(筋原性変化)
    ①動員パターン:急速動員,早期動員,病的干渉(正常動員パターン)。
    ②運動単位電位(motor unit potential:MUP):低振幅・短持続時間のMUP,多相MUP,高振幅MUP。

    これらはいずれも筋炎に特異的所見とは言えません。たとえば,安静時活動の①,②の所見は,神経原性・筋原性いずれでもみられるものです。また随意収縮時活動における所見は,筋原性を示唆するものの,筋炎に特異的ではありません。これらをふまえた上で,筋炎の診療に針筋電図がどのように役立つかはよく考える必要があります。

    以下に述べるような臨床的課題の解決において,針筋電図が役立つ場面があります。

    (3)針筋電図所見による鑑別診断
    ①神経原性疾患との鑑別
    亜急性~慢性の進行を示す筋炎は,神経原性疾患,たとえば筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)との鑑別が問題になる場合があります。特に封入体筋炎(inclusion body myositis:IBM)は,ALSの重要な鑑別疾患で,しばしば高振幅~巨大MUPがみられて紛らわしい場合がありますが,動員パターンに注目すると鑑別は容易です。また,高度に障害される深指屈筋を調べると低振幅MUP主体の典型的筋原性所見がみられます。

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