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故日野原重明氏の病院葬、医療関係者も多数参列

登録日: 2017-07-31

最終更新日: 2017-07-31

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日本の医学・医療の発展のために長年尽力し、7月18日に105歳で永眠した日野原重明氏(聖路加国際病院名誉院長、聖路加国際大学名誉学長)の葬送・告別式が7月29日、東京・港区の青山葬儀所で営まれた。

写真左:日野原氏の遺影に向かって花を手向ける参列者 写真右:日野原氏の影響の大きさを語る福井氏

告別式は「病院葬」の形で行われ、キリスト教式の葬送式に続き、聖路加国際病院院長の福井次矢氏と笹川記念保健協力財団最高顧問の紀伊國献三氏が「日野原先生との思い出」を語った。

福井氏は、プライマリケア・総合診療や予防医学の推進、「生活習慣病」の概念の提唱、ホスピス・緩和ケアの導入など、医療分野における日野原氏の数々の業績を挙げながら、「(日野原)先生の教えやご配慮によって、私と同様、医療の専門職業人として幸福な人生を歩んだ者の数は数え切れない」と涙ぐみ、紀伊國氏は「(日野原)先生の活動はきわめて広く、そのすべてを理解することはできない。人のやらないことをする好奇心と実行力にはいつも驚かされた。私は先生は革命家だと思っている」と述べた。

喪主を務めた長男の日野原明夫氏は「父が特に大切にしていた言葉、『出会い』『いのち』『愛』『ゆるし』を大切にしながら、私ども家族も生きていきたい。(父は)私たちに『ありがとう』の言葉を残しながら安らかに眠りについた」と述べ、参列者に感謝の意を表した。

葬送・告別式には、医療界、政財界の関係者や一般の高齢者など約4000人が参列。遺影に向かって白いカーネーションを手向け、別れを惜しんだ。式の前には日野原氏と深い親交があった皇后さまも訪れ、遺族らに対し「日野原先生は立派なお仕事をなさってくださいました」と慰めの言葉をかけられた。

■告別式終了後の福井次矢氏の話「数えきれないくらいの医師・看護師が影響受けた」

日野原先生の教え、導きがあって、いまの私自身がある。同じように影響を受けた医師や看護師が日本中にどれだけたくさんいるかを考えると、一般にいわれている日野原先生の業績以外に「人を育てた」ということの大きさが、今まで(十分に)アピールされてこなかったのではないか。今日、自分でお別れの言葉を読みながら、そう思った。
日野原先生の下で学んだ、非常に優れた医師や看護師が数えきれないくらい日本中に散らばっている。その人たちが日本の医療の底上げ・レベルアップに大きな役割を果たしている。日野原先生の考えられたこと、やろうとしたことは、その人たちがこれから引き継いでいくのだろうと思う。



【特別企画】日野原重明先生を偲ぶ をサイト内に設置しました。
https://www.jmedj.co.jp/page/memorial_of_dr_h/
小社所蔵の画像・資料および「日本医事新報」バックナンバーより日野原先生の思い出の写真、記事・論文の一部を紹介しています。

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