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C型肝炎ウイルス排除後の肝での発癌リスクは?【排除に成功した症例での5年・10年発癌率は,2.3%・5.5%と有意に低下】

No.4866 (2017年07月29日発行) P.69

玉城信治 (武蔵野赤十字病院消化器科)

泉 並木 (武蔵野赤十字病院院長)

登録日: 2017-07-26

最終更新日: 2017-07-25

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  • C型肝炎ウイルス(HCV)排除後の肝での発癌について,依然として発癌リスクは高いのでしょうか。あるいは,ある程度,肝癌発生抑制効果がみられますか。

    (岐阜県 M)



    【回答】

    HCVの排除によって発癌を抑止する効果が認められます。当院でインターフェロン治療を行った1818例を調べたところ,約6年の経過観察において179例の発癌例がありました。HCVを排除できなかった症例での5年・10年発癌率は,6.9%,21.9%であったのに対して,HCV排除に成功した症例では,それぞれ2.3%,5.5%と有意に発癌率の低下を認め,発癌を抑止することが明らかとなっています1)。しかし,HCV排除後も発癌する症例は少数ではありますが存在するため,注意が必要です。

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