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【他科への手紙】スポーツドクター→婦人科

No.4863 (2017年07月08日発行) P.57

松田貴雄 (国立病院機構西別府病院スポーツ医学センター長)

登録日: 2017-07-07

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  • 突然のご紹介を失礼いたします。トレーニングキャンプに同行した際、参加していた中学3年生女子の腰痛がひどくなり、練習メニューについていけなくなるということがありました。痛みは2週間前からのようで、腰椎疲労骨折が疑われます。疲労骨折に関しては整形外科にMRIでの確認をお願いしており、貴科にはまだ初経が来ていないことから紹介いたしました。

    女性アスリートの三主徴はエネルギー不足、無月経、骨粗鬆症であり、これらを有すると疲労骨折を繰り返しやすくなります。痩せているアスリートに多いと思われがちですが、患者は体格が良く、体重コントロールなどは行っていません。筋肉量が多いと基礎代謝が高くなり、相対的にエネルギー不足になります。選手健康手帳の成長率曲線を見ますと、昨年から身長が急激に伸び、やや遅めの成長ピークを認めます。ちょうど筋肉量が増加し、循環血液量も増える時期に当たることから、鉄欠乏状態が推測されます。コーチからも、最近ミスが多くなったとの指摘を受けており、鉄欠乏による酸素不足の影響として動体視力の低下がみられていると考えられます。

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