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川崎病のステロイド療法の温故知新[プラタナス]

No.4861 (2017年06月24日発行) P.1

三浦 大 (東京都立小児総合医療センター循環器科・臨床試験科部長)

登録日: 2017-06-23

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  • 川崎病は,乳幼児に多い原因不明の発熱性疾患で,免疫グロブリン(IVIG)とアスピリンによる標準治療を行っても,冠動脈瘤を合併することがある。冠動脈瘤の主因はIVIG不応例で,近年,その対策としてステロイドが重視されるようになった。

    本稿で紹介する症例は1歳7カ月女児である。熱性痙攣の群発で入院し,4病日に眼球結膜充血,口唇発赤,手掌紅斑,不定型紅斑を認め川崎病と診断した。小林スコア(IVIG不応予測の指標)が5点と陽性で,初回IVIGにプレドニゾロンを併用した。解熱後に再燃し,7病日にIVIGを再投与した。その後は解熱して全身状態も改善した。

    しかし,10病日から冠動脈が拡大しはじめ,右冠動脈に径6.4mmの瘤が生じた(写真上)。抗血小板薬を投与しながら苦い思いでフォローアップしていた。幸い1年後には瘤は消失(退縮)し(写真下),冠動脈造影で正常化を確認し内服薬を中止できた。

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