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診療報酬の伸びは「賃金・物価より低い」【日本医師会・横倉会長】

No.4859 (2017年06月10日発行) P.15

登録日: 2017-06-01

最終更新日: 2017-06-08

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日本医師会の横倉義武会長は5月31日の会見で、財務省の財政制度等審議会がこのほど取りまとめた建議について、「診療報酬本体が賃金や物価の水準に比べて上がりすぎているかのように強調している」と問題視した。

建議では「デフレにより賃金や物価が下落していく中、診療報酬本体は伸び続けたため、両者の間のギャップは未だ大きい」としている。さらに「参考資料」では、賃金、消費者物価、診療報酬本体の3つの指数について、1995年度を100として動向を表したグラフを提示。それによると、2015年度の指数は、診療報酬本体110、消費者物価103、賃金101となっている。

これに対し、横倉氏は「アベノミクスが始まった2012年度を起点にして比較すると、16年度の診療報酬本体の水準は賃金・物価よりも低い」と指摘。「財政審のデータの見せ方はかなり恣意的だ」と批判した。

さらに横倉氏は、来年4月の改定に向けて「直ちに引き上げるべきとは言えないが、今秋に公表される医療経済実態調査の結果に基づき、医療機関の経営状態を適切に加味して判断する」と強調。改定に当たり重視する点には「300万人以上いる医療従事者の生活を守ること」を挙げ、「人件費の確保が必要だ。医療界は賃上げが遅れていると言われている」と述べた。


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