株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

がんゲノム医療実現へ中核拠点病院を整備【厚生労働省懇談会】

No.4858 (2017年06月03日発行) P.15

登録日: 2017-05-30

最終更新日: 2017-06-01

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

厚生労働省の「がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会」(座長=間野博行国立がん研究センター研究所長)は5月29日、がん患者のゲノム情報を用いて治療の最適化や発症予防を行う「がんゲノム医療」の実現に向け、中核拠点病院の整備などを盛り込んだ報告書案を大筋で取りまとめた。文言修正を加えた上で、塩崎恭久厚労相に提出する。

報告書では、がんゲノム医療の実施要件として、①遺伝子パネル検査を実施できる、②専門的な遺伝カウンセリングができる、③先進医療、医師主導治験等で一定の実績を有している―などを提示。これらを満たす医療機関を「がんゲノム医療中核拠点病院(仮称)」として整備すべきとしている。厚労省は今年度中に全国7カ所程度の指定を行う方針で、段階的に全ての都道府県でゲノム医療の提供を可能とする体制を目指す。

■コンパニオン診断薬以外も薬事承認を

がんゲノム医療の実現に向けて必要となる制度的対応としては、既存治療薬の選択(コンパニオン診断薬)だけでなく、遺伝子を複数同時に測定する「遺伝子パネル検査」についても、先進医療での実施を経て薬事承認し、保険診療として実施することなどを求めている。

報告書では、患者のゲノム情報や治療薬に対する効果等の臨床情報を管理・運営する「がんゲノム情報管理センター(仮称)」の新設も提言。同センターは機微情報を永続的に取り扱うため、公的機関が運営する形になる見通し。

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連物件情報

もっと見る

page top