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高感度CRP異常値への対応は?【感染症のほか,心血管疾患,がん等も考える】

No.4857 (2017年05月27日発行) P.61

目黒 周 (慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科専任講師)

登録日: 2017-05-24

最終更新日: 2017-05-23

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  • 健診で高感度CRPが異常値を示した場合,どのように精査等を進めていけばよいのでしょうか。

    (愛知県 K)


    【回答】

    C反応性蛋白(C-reactive protein:CRP)は炎症で産生される急性期蛋白として広く臨床で使用されています。CRPは微生物の感染や組織の障害に対して産生されるTNF-αやIL-1βなどの炎症性サイトカインが肝臓のKupffer細胞に作用して産生されたIL-6により肝細胞から合成,分泌されます。

    高感度CRPは従来の急性炎症を検出するよりも低濃度域の測定となりますが,こうした低濃度域のCRP上昇が従来から知られている危険因子では説明できない心血管疾患の危険因子となることが明らかとなりました。

    米国でのコホート研究1)が,高感度CRP値がLDLコレステロールなどとは独立した心血管疾患の予後予測因子であることを報告して以降,高感度CRPの予後予測因子としての有用性が多数報告されています。メタアナリシスでは高感度CRPは冠動脈疾患や虚血性脳卒中と,従来の危険因子や線溶系マーカーなどと独立して関連することが報告されました2)。介入研究ではLDLコレステロール130mg/dL未満かつ高感度CRP値2mg/L以上で心疾患の既往のないものを対象に行われたスタチンのプラセボ対照RCTにおいて,LDLコレステロール70mg/dL未満と高感度CRP値2mg/L未満となることが,それぞれ独立して心血管イベントの減少と関連していることが示されました3)

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