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塩分制限中の高血圧患者の熱中症予防法は?【Na体内貯留・再吸収が亢進していれば,塩分制限を継続しつつ水分を補給する】

No.4857 (2017年05月27日発行) P.60

鶴岡秀一 (日本医科大学腎臓内科教授)

登録日: 2017-05-23

最終更新日: 2017-05-23

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  • 高血圧患者から熱中症予防における塩分摂取量に関してしばしば質問を受けます。汗で失われる塩分量は濃度にばらつきがあり,個人差も大きいと思われますが,どのように指導すべきでしょうか。

    (宮崎県 O)


    【回答】

    日本人における本態性高血圧の機序としては,腎尿細管でのナトリウム(Na)再吸収が亢進した結果,体内にNaが貯留し体液過剰となるもの(いわゆる塩分感受性高血圧)が多いとされています。また,日本人の1日塩分摂取量は平均10g程度まで減少してきてはいますが,それでも必要量(1~2g)をかなり超えています。

    一方,夏には発汗が増加し皮膚からの塩分および水分排泄が増加するため,一般には熱中症予防としてスポーツドリンクなどによる塩分と水分の補給が勧められます。しかし,高血圧患者の場合には,前述のようなNaの体内貯留とNa再吸収の亢進が存在し,また万が一,Naが枯渇しても,正常な尿細管では代償性にNa再吸収の抑制もある程度起こります。

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