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【この人に聞きたい】入院医療のあるべき姿とは?〜武久洋三(日本慢性期医療協会会長)

No.4854 (2017年05月06日発行) P.10

武久洋三 (日本慢性期医療協会会長)

登録日: 2017-05-02

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  • 病気は早期に治し、早期に日常に帰す。
    急性期医療のあり方を見直し、寝たきりを減らせば、
    医療費は大幅に削減できる。


    〔略歴〕1966年岐阜県立医大卒。徳島大院、同大第三内科を経て、84年博愛記念病院開設、医療法人平成博愛会理事長。厚生労働省社会保障審議会医療保険部会委員、中央社会保険医療協議会入院医療等の調査・評価分科会委員などを歴任。2008年より現職。

    超高齢社会の到来を目前に控えたわが国の医療において、より重要性が増す慢性期医療。日本慢性期医療協会の武久洋三会長は、長年慢性期医療をリードしてきた立場から医療のあり方について盛んに鋭い提言を行っている。数々の赤字病院を黒字化させてきた経営立て直し人の貌も持つ武久氏に、あるべき入院医療の姿について聞いた。

    ─時に医療界にとって耳の痛い提言を行っている狙いは。

    我が身のことより日本の将来がどうなるのかを心配する年齢になってきた。税金を納める人が減る一方、使う人が増える。今のままの使い方でいいのだろうか、と警告を発して、皆が気づき改善に向かうようなサジェスチョンを誰かがしなくてはいけない。各ステークホルダーはそれぞれ新しい道を探っていく必要がある。物議を醸すかもしれないが、敢えていろいろな提言をしているつもりだ。

    ─入院医療の新しい道とは。

    現在急性期病床が療養病床の3倍あり、どう考えてもこれはおかしい。急性期病床に慢性期の患者がかなり混じっているのだろう。7対1の看護配置と設備を揃えていながら、実は慢性期の患者が半分以上も入院している状況は、診療報酬の無駄遣いでしかない。
    一番問題なのは多くの急性期病院に十分なリハビリテーション機能がないことだ。後期高齢者がリハビリ機能のない病院に入院すると、関節が固まり身動きできなくなる可能性が高い。我々の調査では日本は米国の5倍も“寝たきり”患者がいることが分かっている。当然寝たきりが多ければそれだけ介護施設が必要になり、せめて今の半分に減らすことができれば、介護サービスにかかる費用もだいぶ少なくて済む。医療においても海外の良いところは学ぶべき。日本が誇るべき国民皆保険制度とフリーアクセスを守るためにも、二重三重にお金がかかるようなことは防がなくてはいけない。

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