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インスリン注入ポンプのトラブル予防の対策は?【推奨電池の使用や血糖自己測定の励行,ペン型インスリン注入器の常時携帯で対応】

No.4853 (2017年04月29日発行) P.57

小林哲郎 (冲中記念成人病研究所所長)

村田 敬 (国立病院機構京都医療センター糖尿病センター)

登録日: 2017-04-26

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  • インスリンポンプ療法(continuous subcutaneous insulin infusion:CSII)の際,電池トラブル,ソフトウェアの問題などでインスリン注入ポンプの誤作動やディスプレイ表示のエラーなどが発生する場合があるようですが,全国アンケート調査の結果とそのトラブル予防のための対策をご教示下さい。国立病院機構京都医療センター・村田 敬先生にお願いします。

    【質問者】

    小林哲郎 冲中記念成人病研究所所長


    【回答】

    CSIIは,プログラム可能な小型シリンジポンプを用いて,超速効型インスリンを持続的に皮下注入する糖尿病の治療法で,従来のペン型注入器を用いたインスリン頻回注射法と比べて,より生理的なインスリン分泌を模倣できるメリットがあります。インスリンポンプは乾電池(機種によっては充電池も使用可能)により駆動されます。

    以下,2016年に日本先進糖尿病治療研究会が実施した全国調査の結果と,そのトラブル予防のための対策を述べます。

    (1)電池問題

    100円ショップなどで販売されている,製造元が必ずしも明らかでない乾電池の使用によるトラブルが報告例の約20%を占めていました。電池の液漏れが起こるとインスリンポンプが故障して動かなくなる危険があるため,インスリンポンプには信頼性の高い電池を使用する必要があります。インスリンポンプが主に内因性インスリンの枯渇した1型糖尿病患者に使用されていることを考慮すると,電池または電源トラブルは,糖尿病ケトアシドーシス等の重大な有害事象を引き起こす可能性があります。

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