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腸管へ直接薬剤を投与する新たなパーキンソン病の治療法【経口投与よりも血中濃度のばらつきを抑えることが期待できる】

No.4853 (2017年04月29日発行) P.52

平松 有 (鹿児島大学神経内科)

登録日: 2017-04-25

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パーキンソン病(PD)の病勢の進行を止める根本治療法はないものの,薬剤や脳深部刺激療法などによる対症療法の選択肢は年々増えている。

わが国では,2016年9月に新たに経腸用のレボドパ・カルビドパ配合薬が発売された。ドパミンの前駆体であるレボドパは,PD症状に対して高い有用性を持ち,現在でも治療薬の中心となっている。しかし,血中濃度が高くなりすぎると吐き気などの消化器症状や,幻覚,妄想が出現するほか,長期的に使用していると日内変動が起こり,次の服用前に効果が消失するwearing off現象や,特異な不随意運動(ジスキネジア)が出現するようになってくる。また,PDでは胃の動きが悪くなるため,小腸における薬剤吸収がばらついてしまい,薬効が安定しないことがある。

今回発売された経腸用のレボドパ・カルビドパ配合薬は,携帯型注入ポンプを用いて空腸へ持続的(朝にボーラス投与を行った後,最大16時間)に薬剤を注入することにより,経口投与よりも血中濃度のばらつきを抑えることが期待できる。実際に第3相試験では,進行期PD患者のoff時間短縮効果がみられた1)

使用にあたっては経皮的内視鏡下胃瘻造設術を行う必要があり,消化器医師や看護師などとの連携が必要である。既存の薬物療法でも十分な効果が得られなかった進行期PD患者への治療法として期待される。

【文献】

1) Lew MF, et al:Parkinsonism Relat Disord. 2015; 21(7):742-8.

【解説】

平松 有 鹿児島大学神経内科

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