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【他科への手紙】 形成外科→循環器内科・整形外科・心臓血管外科

No.4851 (2017年04月15日発行) P.53

樋口慎一 (中京病院形成外科)

登録日: 2017-04-14

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  • 人工物を入れる機会が多い診療科の先生方にとって、それらの露出は避けて通れない合併症だと思います。露出の原因が人工物の感染である場合は、やむをえず抜去しなければならず、患者側・医療者側ともに悲しい結果となります。しかし、露出の原因がすべて感染にあるとは限りません。人工物の突出した部分が常に皮膚にあたり穴を開けてしまうことや、人工物上の縫合線が血流不足で離開してしまうこともあります。これらの場合は、感染を伴っていないことがあり救済できる可能性があります。ただし、創が離開した場合に再縫合しても、創治癒を得られる可能性は限りなく低くなります。治癒を待っている間に感染を起こすリスクも高くなるため、早期に適切な方法で創閉鎖をする必要があります。

    創閉鎖は、人工物を深い層に移動させる方法や、縫合線が人工物の直上にならないよう局所皮弁で被覆する方法などが基本です。人工物が動くものの場合は、その動きによって皮膚に刺激が加わり穴を開けることがあります。また、動くことで死腔を生じやすくなるため、骨膜などの動かない組織に固定します。具体的には、皮膚が薄い高齢者の皮下に挿入されたペースメーカーが露出した場合に大胸筋下に埋めなおしたり、下腿など血流が悪い部位のプレートが露出した場合に局所皮弁でプレートを被覆しなおしたりします。

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